出典:ヘルストロンについてご紹介 | 株式会社 白寿生科学研究所 ハクジュプラザ公式サイト
ヘルストロン、というものをご存知でしょうか。
もしも自分の身内が何十万円もする身体に電気を流す機械を買ってきたら驚きますよね。
私の祖母も友人に誘われて家の近くにできたヘルストロンの体験会場に行ったのですが、無料で何度も通えてお年寄りの溜まり場になっているらしいのです。
ヘルストロンとは、1963年に厚生省(現在の厚生労働省)から医療機器として承認された電位治療器。椅子タイプや敷パットタイプがあります。肩こりや頭痛、不眠症、慢性便秘を解消できる医療機器です。
電位治療器は理学療法の中の物理療法の一つです。まず電極間または電極とアースの間に高電圧をかけて電界を発生させます。その中に人間の身体を置いて通電させることで治療するのですが、ビリビリ感じるわけではなく電界で身体を包み込む感覚です。
株式会社白寿生化学研所が開発した日本初の交流電位治療器。約60年の長い歴史があるヘルストロンですが「本当に効果があるのか」「なんだか怪しい」「安全性が不安」という声も耳にします。
実際に体験に行った祖母も「何度も行っている友人はすごい!なんて絶賛しているけど私は信じられなくて、、、」と宗教のような怪しさを感じていました。
祖母の体験談を含め、ヘルストロンは本当に効果があるのか、怪しい製品ではないのか?!
国に承認されている医療機器にも関わらず怪しさを感じる理由は一体何なのでしょうか。
ヘルストロンが怪しいと言われる理由を考察
①効果が分かりにくい
ヘルストロンは効果を感じるまでに個人差があります。1度の使用で効果を感じる人もいれば、何度使用しても効果を感じない人もいるようです。
また、施術中は何も感じないので「本当に効いているのか」「プラシーボ効果ではないのか」と疑う人も。
プラシーボ効果というのは案外起こりうるもので、臨床試験の結果5~30%程度の患者さんに現れたというデータもあります。
「プラシーボ効果」という言葉を知らない人に説明しますと、効果のない偽薬(プラセボ)を飲んだにも関わらず効果が発現すること。逆に効果のない偽薬を飲んだのに有害作用が現れることもあります。これをノセボ効果と言います。
②継続しないと効果が出ない
そもそもヘルストロンは最低でも週に2回、少なくとも3ヶ月続けて通電することを推奨しています。一度の使用では大きな効果を得られません。
3ヶ月という長い期間では季節が変わったり体調が変化したりするので、少なくとも3ヶ月の期間が必要というのは、怪しいと言われる理由かもしれません。
③無料の体験会場がある
私の祖母が友人に誘われて行ったように、無料で何度でも通うことができる体験会場が各地にあります。
祖母が行った体験会場は近所の田舎の一般的な一軒家。友人の紹介でないと入れません。椅子タイプのヘルストロンが何台か並んでいて「座っておしゃべりするだけで血行がよくなって身体の悪いところが治る」と言われたそうです。
何度も通っている人たちは友人に紹介するくらい効果を感じているので、口を揃えて「これはすごい!」とおすすめします。そのような光景を目の当たりにするとちょっと宗教的な、あるいはマルチ商法的な雰囲気を感じてしまいますね。
そこでは他にサプリメントやハーブティーなども販売しています。一般的な住宅で体に取り入れるものを買うのは躊躇する人もいるでしょう。
④高齢者をターゲットにしている
ヘルストロンは高齢者をターゲットに販売していることが多いです。情報弱者の高齢者をターゲットにしていることが怪しいと言われる理由かもしれません。
また、体験会場には無料で何度でも通えるため「販売員と親しくなって断りづらくて買ってしまった」「無料で何度も通うのが申し訳なくて買うことにした」というケースもあるのではないでしょうか。
閉鎖的な空間で販売員や身体が楽になったと感動している他の体験者と継続的に会う。祖母が行った体験会場もマインドコントロールに近い販売方法でした。
⑤高額
ヘルストロンは安いもので26万円、高いものだと130万円以上でどれも高額。人は価格が高いというだけで価値が高いと思い込む心理作用(ヴェブレン効果)があります。
例えばブランド品。本質的な価値よりも高額であるかどうかが重要なのです。食べ物なんかも価格が高いだけで美味しく感じたりしますよね。「価格が高い」ということは安心感にも繋がります。
ヘルストロンを体験してみて効果が分からなかった人にはそれだけの価値を感じることができないでしょう。
⑥原因がはっきりしない症状の改善
肩こりや頭痛、不眠症、慢性便秘の改善に効果的なヘルストロン。
しかし、原因がはっきりしないこのような症状はヘルストロンの効果で改善できたのか確信できません。中には「頭に毛が生えてきた」という、にわかには信じがたい声もあります。
また、「癌が治った」という人もいれば「癌が増殖した」という人もいます。ヘルストロンで癌が治った人がいる、というのは販売員の謳い文句。 癌が治った人がヘルストロンを使用していた可能性はあります。
しかし、ヘルストロンで癌が治せるわけがないですよね。逆に癌が増殖した人がたまたまヘルストロンを使用していたのかもしれません。「癌が治った人がいる」と謳う販売員がいることも、怪しいと言われる理由ではないでしょうか。
⑦副反応がある
ヘルストロンは施術後に、だるさ、疲れ、眠気、かゆみやブツブツ、しびれなどが出ることがあります。
これらは好転反応と言って血流が改善されていく段階で起こる正常な反応です。とはいえ、身体がよくなるどころか悪化するのは不安ですよね。継続しないと効果が得られないヘルストロンですが中断する人もいるようです。
先ほど述べた“ノセボ効果”のように、ヘルストロンに対して疑念を抱いていたり不安があると副反応として現れるかもしれませんね。
⑧安全性
「電気を身体に流す」と聞いただけでちょっと怖いと感じる人も多いのではないでしょうか。
ヘルストロンは、通電している本人は何も感じません。しかし通電中の人に通電していない人が触ると、ビビッと感じるようです。そういったことから安全性を疑う人もいます。
⑨全ての人が使用できるものではない
以下の疾患や症状がある人はヘルストロンを使用できません。
- ペースメーカーを使用されている方
- その他植込み型除細動器、植込み型医用電気機器を使用されている方
- 装着形の医用電子機器を使用している方(心電計など)
- 心臓病などで激しい運動を制限されている方
- 体力が極度に弱った方
- 重篤と思われる疾患・症状の方
- 妊娠中毒症の方
- 発熱性・出血性疾患の方
また、糖尿病の人や出産直後の人なども使用する前に医師へ確認する必要があります。
⑩怪しい製品が出回っている
ヘルストロンは国から承認された医療機器ですが、家電として類似品が出回っています。
類似品や正規点検を受けていない中古品を誤って使用したために、効果を感じなかったり悪影響が出たりといった口コミが広がったことも考えられますね。医療機器なのに一般の住宅で販売されている点も怪しさを感じてしまいます。
ヘルストロンは怪しい?まとめ
怪しいと言われるヘルストロンですが、厚生労働省が承認している長い歴史のある医療機器。治療として取り入れているクリニックもたくさんあります。ヘルストロンの治療が保険適用される場合も。安全性は確かだと言えるでしょう。
医療機器だからこそ使用できない人がしっかりと明記されており、使用を誤ると悪影響を及ぼす可能性もあります。不安な人はヘルストロンを置いているクリニックで医師に相談するとよいでしょう。
類似品やメンテナンスされていない中古品が出回っていることも事実。ヘルストロンは家電ではありません。
厚生労働省の認可や「信頼と安心」の製品を選ぶ目安となるマーク“HAPIマーク(一般社団法人日本ホームヘルス機器協会)”などがしっかりと明記されているか確認し、常にメーカーの点検、整備を受けられる環境下で正しく使用することが大切です。
無料で体験できる会場が各地にあるのでまずは体験してみるのもありですが、周りの雰囲気に飲み込まれないように注意が必要です。少しでも不安や疑いがあったら購入をやめて、医師に相談したりメーカーから正規品を購入することをおすすめします。
価格に見合う効果が感じられたのか。ご自身が納得しているのかが重要です。
仮にヴェブレン効果によって価格が高いことで価値を感じていたとしても。プラシーボ効果で症状の改善が思い込みだったとしても。本人が効果を感じて楽に生活できるのであれば、健康増進に役立つと言えるからです。